答え
1. イノシン酸
一般的に、魚を美味しく食べるには鮮度が命というのが定説化しています。
ある人に言わせれば、これには異論があるようです。
魚の旨み成分といえば、アミノ酸の一種のイノシン酸です。このイノシン酸というのは、実は魚が死んで完全硬直状態になった頃から生成されます。ですから、まだ生きていたり、死んだ直後や死んで硬直が始まった時点では、このイノシン酸は作られていないわけです。
その意味から言えば、ピクピクと動いているような「活き造り」は見た目には新鮮で素晴らしいのですが、"旨み"という観点からすれば、数時間を経過して刺身にした方が魚本来のものを味わえるというのです。
漁師さんの多くは、冷蔵庫に一晩置いてから魚をさばいて刺身にする人もいるのだとか。
「さかな」の語源を調べると、もともとは「酒菜」と書き、お酒を飲む時に添えて食べるものの総称を意味していました。その中でも、魚や肉などの動物性食品を「真(ま)菜(な)」と呼び、野菜などの植物性食品を「疏(そ)菜(な)」と言っていたそうです。
いわゆる「酒の肴」ということですが、昔は肉よりもほとんどが魚だったために、いつの頃からか魚だけを「さかな」と呼ぶようになったわけです。ちなみに、まな板という名前は、その「真(ま)菜(な)」を料理する板というところから来たのでした。
魚の脂には、肉類のそれと違って、体に良いとされる「必須脂肪酸」が含まれており、これは私たちの体内では作ることの出来ない大切なものです。
不飽和脂肪酸とも呼ばれ、中でもDHA(ドコサヘキサエン酸)は、コレステロールや血圧の低下などの効果が期待でき、脳の記憶や学習能力を高める作用があるといわれています。
また、EPA(エイコサペンタエン酸)は、血液をサラサラにして血栓が出来るのを抑える効果があるとされています。
「カジキマグロ」という魚の名前をよく耳にしますが、正確には「カジキマグロ」という名前の魚は、分類上はいません。
魚屋さんやスーパーマーケットなどでカジキマグロと表示されていることが一般化していますが、マカジキ科、あるいはメカジキ科に属する「カジキ」と、サバ科に属する「マグロ」はまったく別ものとして分類されるべきものなのです。
ですから、実際には「カジキマグロ」とは、カジキのことで、これは売り手側が、マグロ好きの日本人の心理を上手に(?)利用したというのがもっぱらの理由とのことです。本来、カジキの身肉はマグロよりも赤くなく、淡いピンク色。特に刺身の場合は、見慣れないということと同時に、マグロとの比較上、どうしても見劣りしてしまうことを懸念した結果、売る側として「マグロ」という"ブランド"を付けてイメージアップを図ったのが定番化したようです。
ただし、その味はマグロのトロに似た口あたりで、大衆的な刺身として広く人気のある魚です。
私たちが一般的に刺身用として味わっているのは、シロカジキやクロカジキです。手ごろな価格でありながらもとても美味しい魚ですね。
【参考資料】
ああ、そうなんだ! 魚講座 : 恒星社厚生閣
食材料理百科事典 : 講談社