2010年12月20日

Question3 ステップアップについて 神谷 博文先生

ジネコフリーマガジン2010冬号

北海道にある神谷レディースクリニック神谷 博文先生がお答えくださっている記事の続きです。

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年齢による体外受精へのステップアップの時期について

【ジネコ】
年齢が若い人でも、早めに体外受精へ進んだほうがよいケースはありますか?
【神谷先生】
体外受精へステップアップする時期と年齢は、妊娠の成功率に深く関係してきます。年齢を重ねれば重ねるほど成功率は下がります。ですから、年齢が35歳を超えている場合、月に1度の妊娠のチャンスは貴重。体外受精の意思があり経済環境に無理がないのなら、タイミング療法や人工授精を長期間繰り返すよりも、早い時期に体外受精を行ったほうが成功率は高くなります。

一方、年齢が若い場合は、体外受精へのステップアップは急がなくても、タイミング療法や人工授精で妊娠に至るケースも高いですね。しかし、これは排卵や精子の状態などに問題がない場合。子宮内膜症などの合併症がある人、ピックアップ障害がある人、AMH値が低い人は妊娠の成功率が低い状況なのですから、若くても早めに体外受精へステップアップするのがおすすめです。

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Question3 ステップアップについて 福田 勝先生

ジネコフリーマガジン2010冬号

神奈川県にある福田ウイメンズクリニック福田 勝先生がお答えくださっている記事の続きです。

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人工授精などステップアップ治療について

【ジネコ】
不妊検査や性交のタイミング指導からスタートして、患者さんにとってまず最初のステップとなる人工授精ですが、これはどのような場合に提示されていますか。
【福田先生】
ヒュナーテストをして精子が頸管粘液内を上れない場合には、人工授精をご提示しています。人工授精は子宮内にご主人の元気な精子を注入して自然妊娠を待つ方法。ステップアップといってもより自然に近い方法であり、体外受精と比べて費用もかからないので、患者さんにとって精神的、経済的な負担は少ないのではないかと思います。
【ジネコ】
人工授精の成功率はどれくらいですか?
【福田先生】
周期あたりの成功率は約8%とすごく高いわけではありませんが、繰り返し受けられるメリットがあります。
【ジネコ】
何回くらいまでトライできるのでしょうか。
【福田先生】
昔は人工授精は6~8周期くらいまで有効なのではないかと言われていましたが、今はだいたい5~6周期を目安としています。晩婚化で卵巣老化が問題となっているので、不妊治療のスピードが早まっているんですね。6周期目以降では妊娠成功率は非常に低下するので、結果が出ない方にはもう一つ上の治療を提示します。

第3ステップである体外受精や顕微授精は一般不妊治療と比べると妊娠率は高くなりますが、経済的、肉体的な負担も増えます。それぞれのご夫婦の事情や考え方もありますから、ステップを上がるかどうかはよく検討していただいた上で、最終的に患者さんに決めていただくようにしています。

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Question3 ステップアップについて 藤野 祐司先生

ジネコフリーマガジン2010冬号

大阪府にある藤野婦人科クリニック藤野 祐司先生がお答えくださっている記事の続きです。

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年齢によるジャンプアップについて

【藤野先生】
一般的に、35歳以上になると高齢出産といわれ、妊娠にまつわるさまざまな合併症が増えるとされています。ちなみに、生殖医療の観点から、僕が考えるボーダーラインは、40歳です。 年齢を重ねるごとに卵巣の力や質が落ちて、妊娠率は下がってきますが、さらに40歳を超えると、妊娠率はどの方法をとっても格段に下がり、体外受精でも20%未満。その傾向は一段と顕著になる気がしています。学会などで先生方とお話をしても、45歳以上の妊娠はほとんど聞かれません。

ならば、40歳以上の人はどうするべきか? まず考えていただきたいことは、「いつまで治療をするか?」「どこで治療の区切りをつけるか?」ということです。そして、この後の人生設計を考えておくことです  そうすると、こういう人にタイミングや人工授精といったステップアップは、ナンセンスだと思うんですね。ご本人の残された時間の大切さをこちらから説明して、体外受精にジャンプアップすることも視野にいれながら、適切な治療を進めていくことが大切だと感じています。

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Question3 ステップアップについて 松山 毅彦先生

ジネコフリーマガジン2010冬号

香川県にある厚仁病院(不妊症部門)松山 毅彦先生がお答えくださっている記事の続きです。

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ステップアップの目安の回数について

【松山先生】
「タイミングや人工授精は4~5回」と、なぜ教科書的に書かれているのか、実はよくわからないところがあります。それで私なりに理屈を考えてみました。これが正しいかどうかはわかりませんよ。人間が持っている自然妊娠率は、どんなに高く見積もっても40%以下。一般的には20~30%といわれています。

そこで、タイミング指導をするとします。それでは何回するか? 私は「仮に、タイミング指導によって、カップルの不妊要素を解決していたとしたら、1回の周期の妊娠期待値は20~30%になるので、じゃあ4~5回ですね」と説明しています。これは、いわゆる物理的な確率とは違って、あくまでも生物的な確率なので、1回あたりの確率については、毎回、必ずリセットされると思うんですよね。そうすると、1回あたりが20~30%の確率であれば、4~5回していたら妊娠してもいいよね、という話になると思うんです。

そして、タイミング指導をして反応がなければ、「妊娠にいけないかもしれないから、ステップアップしましょう」となります。
そのうえで、次は人工授精、体外受精というように、教科書的な流れにつながっていくのかなと思いますね。

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Question3 ステップアップについて 蔵本 武志先生

ジネコフリーマガジン2010冬号

福岡県にある蔵本ウイメンズクリニック蔵本 武志先生がお答えくださっている記事の続きです。

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男性による因子の場合のステップアップについて

ジネコ
男性の精子の状態の基準というのは?
【蔵本先生】
WHOの精液検査の基準値は精液量2ml以上、精液濃度が精液1mL中2000万個以上、直進運動率50%以上、正常形態精子30%以上です。そこまで届かなくても総運動精子数が500万個以下となると、通常のタイミング法や人工授精は難しくなるので、体外受精や顕微受精へのステップアップを考えます。

体外受精は精子処理後に直進運動精子濃度が2000万/mL以上の場合、顕微受精は1500万/mL未満の場合に行っています。確実に受精させたいという強い希望があれば、当院の体外受精の精子所見基準内であっても、体外受精と顕微受精を併用することもあります。
ジネコ
体外受精や顕微授精に進むのには決意がいるように思えますが。
【蔵本先生】
そうですね。当院ではまずART説明会(集団説明会)または個別相談を行い、治療内容、副作用、治療成績、児への影響について充分に説明を行っています。臨床心理士によるメンタルカウンセリングなども行い、患者さんの身体と心の両方をサポートしています。

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2010年12月17日

Question2 体外受精の目安 京野 廣一先生

ジネコフリーマガジン2010冬号

宮城県にある京野アートクリニック京野 廣一先生がお答えくださっている記事の続きです。

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子宮内膜と着床率について

ジネコ
胚移植する時、子宮内膜はどんな状態になっているのが理想的ですか?
【京野先生】
HCG注射を打つ段階で8mmくらいあればよいとされています。ただし、内膜が薄い場合でも妊娠する場合もありますし、厚すぎてもよくない。子宮内膜増殖症などの病気が出てくることがあります。それから、内膜のパターンというのがありまして、黄体ホルモンを投与する前、要するに排卵する前は、リーフパターンといって、真ん中に葉脈のような線が見える木の葉のような状態がいいんですね。
ジネコ
子宮内膜が厚くならない場合はどのような処置をとられますか?
【京野先生】
血流を増やす薬や活性酸素を抑える薬を投与するというのがまず一つ。ホルモン補充周期のときに厚くならない場合は、これらの薬の投与量を少し多くすることもあります。もう一つは、セキソビットやHMG製剤などの排卵誘発剤を使用した周期で凍結胚移植をする。ほかに補助的な医療として遠赤外線照射器(サンビーマ)を使用したり、鍼灸や漢方薬を用いることもあります。

患者さんご自身でできる方法としては、1日40分程度の散歩などもいいのではないでしょうか。血流が悪い方は子宮内膜が厚くならない傾向がある気がしますので、軽い運動などをされるといいかと思います。

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Question2 体外受精の目安 吉田 淳先生

ジネコフリーマガジン2010冬号

東京都にある木場公園クリニック吉田 淳先生がお答えくださっている記事の続きです。

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体外受精に進むタイミングは? について

ジネコ
木場公園クリニックでは、どういった患者さんに体外受精や顕微授精をすすめていますか。
【吉田先生】
一般的には「人工授精を4~6回やってみて結果が出なかったら」、というようにいわれていますが、男性の精子の数が明らかに少ない場合や女性のFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値が上がっている場合など、人工授精などを繰り返しても良い結果が望めそうにないと最初からわかっている場合は、時間を無駄にしないためにも「できる時にしておきましょう」と体外受精や顕微授精をおすすめします。
ジネコ
女性の年齢からも判断されますか。
【吉田先生】
年齢が高くなれば妊娠率が悪くなるのは確かですが、実年齢はともかく、やはり卵巣年齢をきちんと知ることが大切だと思います。卵巣予備能力がどれくらいあるかということです。AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査をはじめ、生理のときの小さい卵の入っている袋の数とか、いろいろな反応性をみたうえで判断します。
ジネコ
これからチャレンジされる方へのアドバイスを。
【吉田先生】
これまでの治療で少しでも良い結果が出ているのならともかく、同じような治療法を漫然と繰り返して年齢を重ねてしまうのは避けたいものです。体外受精や顕微授精でもさまざまな方法があり、高刺激から低刺激に変えたらよい結果が出たというケースもたくさんあるので、ぜひ諦めずにチャレンジしてください。

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Question2 体外受精の目安 浅田 義正先生

ジネコフリーマガジン2010冬号

愛知県にある浅田レディース勝川クリニック浅田 義正先生がお答えくださっている記事の続きです。

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子宮内膜の厚さについて

【浅田先生】
私は、子宮内膜についてはあまり重要視していません。なぜかというと、たとえば卵子提供の場合、閉経後のおばあさんの子宮でもホルモンを大量投与して胚移植すれば、ちゃんと卵子の提供者の年齢の率で妊娠するんです。妊娠率は卵子で決まる。子宮では決まりません。子宮とは、培養室でいうインキュベータなんですよ。究極の一番性能のいいインキュベータが子宮や卵管。そうなってくると、ある一定のクオリティがあればいいんです。飛び抜けていなくていい。悪くなければいいんです。

また、よく内膜の厚さが何mm以上ないといけないなどと言いますが、子宮の内膜は常に蠕動運動していますから、同じ人の子宮でも測る場所によって厚いところもあれば薄いところもあるわけです。だから、内膜の厚さを細かく気にすること自体、ナンセンスだと思います。極端なことを言うと、子宮外妊娠は内膜以外のところに着床した状態。つまり、内膜がなければ妊娠しないというわけではありません。あくまでも主役は卵子ということを忘れず、あまりナーバスにならないこと。それが妊娠するためには最も大切なことだと思いますね。

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Question2 体外受精の目安 高橋 克彦先生

ジネコフリーマガジン2010冬号

広島県にある広島HARTクリニック高橋 克彦先生がお答えくださっている記事の続きです。

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排卵誘発の考え方について

【ジネコ】
排卵誘発をしないで採卵する方法もありますか?
【高橋先生】
副作用を減らすため、リスクをかけずに妊娠してもらおうという考え方もあります。自然周期に近い形で、1個の卵を毎月採卵するという方法です。体外受精を受けている人の半分くらいは「自分は自然に妊娠できる」と信じています。そういう人にとっては、自然に排卵する卵を採って、それで妊娠するという考え方はわかりやすいかもしれませんね。

1回に10個採卵して妊娠する確率と、自然排卵で毎月採卵を3~5回して妊娠する確率は、1人の患者さんあたりでは変わらないように見えます。 しかし患者さんの副作用や不快感は排卵誘発して10個採卵するほうがあるかもしれないけれど、毎月採卵する、毎月通院するということも患者さんにとって不利益になるはず。どちらを選ぶか、患者さんと医師の考え方で、相談して決めるということです。
【ジネコ】
妊娠する確率は、どうなのでしょうか?
【高橋先生】
人は毎回良い卵を排卵しているわけではありません。普通に妊娠する方の場合、3~4回に1回に良い卵を排卵し妊娠します。不妊治療を受けている方の場合はその確率とは違うのだと、認識していただかなくてはなりません。

若い人だと卵巣で毎月10~20個が排卵をしようと待っています。そこから成長したり落ちこぼれて、最後1個だけが排卵する。選ばれた卵が本当に良ければいいのですが、必ずしもそうではない。そういうことから準備している卵を一応全部育てて、その中からいいものを選ぼうというのが、排卵誘発、体外受精の考え方です。いい受精卵を選べるということで、自然排卵でやっていた時より一躍妊娠率が上がってきたのです。

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Question2 体外受精の目安 宇津宮 隆史先生

ジネコフリーマガジン2010冬号

大分県にあるセント・ルカ産婦人科宇津宮 隆史先生がお答えくださっている記事の続きです。

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体外受精に進んだ後の目安についての続き

【宇津宮先生】
まず、不妊症は病気の一つと考えてもらったほうがいいかもしれません。何か病気があるから、赤ちゃんができない。その病気の原因は一つじゃないかもしれない。そこで、検査をすることで、子宮内膜症だったり、癒着だったりという原因がわかり、それに対処する治療法が見つかっていくのです。

また、不妊治療には、ステップアップが大切です。同じ不妊治療を半年以上繰り返しても意味がないということは、念頭に置いておいてもらったほうがいいと思います。体外受精に進んだ場合の目安となる成熟卵の数は、本誌でも述べた通りだいたい10個くらい。当院のデータによると、受精卵の染色体異常は外見で非常によくても、20~30代でも半数くらいが異常、40歳異常は70%の割合となります。この考え方でいくと、自然周期で1個採卵していても難しい......という考えになりますよね。

不妊治療では、クリニックによって方針も多様です。一つの目安として、参考にしてみてください。

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